2005
日本製粉グループ情報 事業セグメント
トップメッセージ
企業統治と内部統制
コーポレート・ガバナンス(企業統治) CSRマネジメントコンプライアンス(法令遵守) リスクマネジメント
社会と日本製粉
お客さまのために
商品の安全と品質保証 商品の情報表示 お客さま満足の追求
お取引先さまとともに
仕入時における安全性の確保
株主・投資家さまとともに
資金調達と株主還元
株主・投資家さまとのコミュニケーション
従業員とともに
従業員の人格・個性尊重の基本方針 人材雇用
人事制度/福利厚生 教育・研修
労使/労働組合 労働安全衛生活動
地域社会とのかかわり
地域住民とのコミュニケーション 社会貢献活動
地球環境と日本製粉
環境マネジメント
環境方針・目標 環境マネジメントシステム 環境監査
環境会計 環境教育
環境パフォーマンス
マテリアルバランス 地球温暖化防止 大気汚染防止 化学物質の管理
水使用量低減と水質汚染防止 騒音防止
廃棄物発生量・最終処分量の削減 物流における環境負荷低減 オフィスにおける環境負荷低減 環境配慮商品
環境コミュニケーション
環境情報の提供
2 3 5 7 8 9 11 13 15 16 18 19 19 20 20 21 22 23 23 24 25 27 28 28 29 31 32 33 36 36 36 36 37 39 41 41 42
編集方針
日本製粉株式会社では、1998年に環境委員会を設置し、事業 活動における環境保全の取り組み状況を、広く皆さまにご説明す ることを目的に、2000年に『環境報告書』を初めて作成し、2002年 以降継続して発行してきました。
また、「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility: CSR)」への社会的な関心の高まりを踏まえ、2003年1月にCSR委 員会を設置し、それまで個別に行ってきた法令遵守などの取り組 みを企業の社会的責任を果たす取り組みへと拡大してきました。 そこで、2005年からは従来の環境報告に加え、新たに社会性報 告を掲載し、『社会・環境報告書』として内容の充実を図りました。
社会性報告では、当社の事業を取り巻く「お客さま※」「お取
引先さま」「株主・投資家さま」「従業員」「地域社会」の5つの ステークホルダーに分類し、当社とのかかわりと、それぞれに向 けた社会的責任を果たす取り組みについて、わかりやすくご説 明しています。
対象期間
本報告書では、2004年4月1日から2005年3月31日までの実績に ついて報告していますが、2005年4月以降の活動や、将来に関す る予測・予想・計画も含んでいます。
対象組織
当社(日本製粉株式会社)および当社の製造部門を分社化し たニップン冷食株式会社、オーマイ株式会社の活動実績を対象 にしています。このため、本報告書の本文中における「日本製粉 グループ(当社グループ)」は、上記3社を表しますが、「物流にお ける環境負荷低減(P39、40)」では株式会社ニップンロジスを含 めて記述しています。今後は可能な限り対象範囲を拡大していく 予定です。
対象分野
『社会・環境報告書2005』は、GRI(Global Reporting Initiative) の「サステナビリティ リポーティング ガイドライン 2002」および環境省 「環境報告書ガイドライン2003年度版」を参考にして作成しています。
発行日
2005年8月(次回発行予定2006年8月)
CONTENTS
※ お客さま:当社商品・サービスの利用者(最終消費者・食品メーカー)および潜在 的な利用者を含みます。
将来に関する予測 ・ 予想 ・ 計画について
本報告書は、「日本製粉株式会社とその関係会社」(日本製粉グルー プ)の過去と現在の事実だけでなく、将来に関する予測・予想・計画な ども記載しています。これらの予測・予想・計画は、記述した時点で入手 できた情報に基づいているため、これらには不確実性が含まれています。 従って、将来の事業活動の結果や将来に惹起する事象が、本報告書 に記載した予測・予想・計画とは異なる可能性があります。読者の皆さ まには、この点をご承知いただき、本報告書をお読み下さい。
なお、日本製粉グループおよび関係者は、予測・予想・計画と異なる 事象が発生した場合においても、なんら責任を負うものではありません。
1 2 3 2 3 4 5 5 6 6 7 7 8 8 9 9 10 4 11 11 10 12 1 12 13
13 本店
国内生産・研究開発拠点
会社概要
主要データ
期末従業員数
2002 2003 2004 2,291 2,346 2,381 958 912 905
(人)
年度 連結 単体
連結子会社数
2002 2003 2004 34 34 36 12 10 11
(社)
年度 連結子会社数 持分法適用会社数
201,389 157,821
2002 年度
215,777 160,144
2003 年度
224,360
157,791
2004 年度
連結 単体
250,000 200,000 150,000 100,000 50,000 0 (百万円)
(百万円)
売上高 セグメント別売上高
4,469 3,029
2002 年度
6,585 5,269
2003 年度
7,605 6,205
2004 年度
連結 単体
10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 (百万円)
経常利益
13.86 10.35
2002 年度
27.25 19.43
2003 年度
27.77 22.51
2004 年度
連結 単体
40 35 30 25 20 15 10 5 0 (円)
1株当たり当期純利益
394 390
2002 年度
478 464
2003 年度
501 482
2004 年度
連結 単体
600 500 400 300 200 100 0 (円)
1株当たり株主資本推移
製粉事業 86,406(38.5%)
食品事業 111,262(49.6%) その他事業 26,691(11.9%)
2004年度 224,360 日本製粉は、日本最初の近代的機械製粉会社として
1896年(明治29年)に誕生し、一世紀以上にわたって日 本の小麦粉関連産業を支えてきました。今日では「製粉 事業」をコアビジネスとし、業務用プレミックスなどを扱う「食 材部門」、パスタやグロサリー(食品雑貨)などを扱う「加 工食品部門」、冷凍パスタや冷凍生地を中心とした「冷 凍食品部門」、弁当や総菜などの調理食品を扱う「中食 部門」の4部門からなる「食品事業」を、時代のニーズに 合わせて幅広く展開しています。さらに、健康食品・自然 化粧品・ペットフードなどを扱う生活関連事業、新事業の 開拓を進めるバイオ関連事業などを含めて、それぞれが 有機的に連携し、多角的な事業運営を行うことによって、 グループの拡大を図っています。また、海外への事業展 開も積極的に行い、米国やタイ、中国に事業拠点を配置し、 製造と販売の最適地化を推進しています。
当社はこれからも、すべてのお客さまから信頼される企 業として、事業活動のさらなる活性化と効率化を推進し、 グローバルな多角的食品企業をめざして、躍進していきます。
本 店 設 立 資 本 金 事業内容
営業拠点 海外拠点
〒151-8537 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 1896年(明治29年)12月
122.4億円(2005年3月31日現在)
小麦粉およびプレミックス、パスタ、冷凍食品な ど二次加工食品の製造販売、中食(弁当・総 菜)事業、エンジニアリング事業、生活関連事 業、バイオ関連事業など
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡 米国、タイ 、中国
日本製粉株式会社(研究所、工場)
〒243-0041 神奈川県厚木市緑ヶ丘5-1-3 〒221-0036 神奈川県横浜市神奈川区千若町2-1 〒261-0002 千葉県千葉市美浜区新港229-4 〒301-0852 茨城県竜ヶ崎市向陽台1-7 〒455-0032 愛知県名古屋市港区入船1-1-34 〒551-0012 大阪府大阪市大正区平尾1-4-29 〒658-0023 兵庫県神戸市東灘区深江浜町41 〒812-0051 福岡県福岡市東区箱崎ふ頭6-11-5 〒047-0048 北海道小樽市高島1-1-3
ニップン冷食株式会社
〒370-0846 群馬県高崎市下和田町4-1-16 〒301-0852 茨城県竜ヶ崎市向陽台1-7
オーマイ株式会社
〒243-0041 神奈川県厚木市緑ヶ丘5-1-2 〒675-0103 兵庫県加古川市平岡町高畑830-1 中 央 研 究 所
横 浜 工 場 千 葉 工 場 竜 ヶ 崎 工 場 名 古 屋 工 場 大 阪 工 場 神戸甲南工場 福 岡 工 場 小 樽 工 場
高 崎 工 場 竜 ヶ 崎 工 場
厚 木 工 場 加 古 川 工 場
日本製粉グループ情報
2
日本初の近代的機械製粉会社として誕生して以来、小麦粉の品質向上と安定 供給に努め、製粉産業をリードし続けてきました。現在はパン・麺・菓子用など、さまざ まな種類の小麦粉をはじめ、ふすま※やそば粉など、多岐にわたる商品を取り扱って います。日本各地に大型製粉ラインを有した製造工場を配置して、衛生的かつ効率 的な生産活動を行うほか、研究部門の充実にも注力しています。
製粉会社の総合技術力を活かして
食材部門では、自社で製粉した高品質な小麦粉を用いて生産するホットケー キミックスや天ぷら粉などのプレミックスをはじめ、コーンや上新粉などの業務用 食品素材を扱っています。原料段階からの徹底した品質管理のもと、二次加 工性への配慮など、多様なニーズに応じた最適な商品づくりに努めています。
2つのブランドで食卓をサポート
家庭用小麦粉やプレミックスなど手作り志向に応える商品を提供するコーポ レートブランド「NIPPN」、スパゲッティやマカロニなど多様なパスタを中心にバラ エティー豊かな商品を提供するプロダクトブランド「オーマイ」。家庭用食品では、 この2つのブランドを主軸に、お客さまの声に耳を傾けながら、食卓のニーズに 応える「おいしく、便利で、健康」な商品をお届けしています。
ライフスタイルに合わせた商品を提供
冷凍食品は、調理の手間を省き、手軽に利用できるため、業務用・家庭用とも に需要が大きく、現在の食生活に欠かせないものとなっています。冷凍食品部 門では、簡便性を重視した商品から本格志向の商品まで、お客さまの多様なニー ズに応える幅広いラインアップを実現しています。
手軽で美味しく健康な食事をお届けする
外食(飲食店での食事)と内食(家庭内での食事)の中間に位置づけられ るのが、弁当や総菜などに代表される「中食(なかしょく)」です。中食部門では、 高齢化社会の本格化や単身赴任の増加、女性の社会進出などにともなって高 まる「食の簡便化」ニーズに応え、「健康・安全・おいしさ」にこだわった調理食
品の開発・生産を行っています。
バイオテクノロジーや健康食品、ペットフード、エンジニアリングなど、製粉・食品事業 を基盤として培った豊富なノウハウを活かして、多様な分野へ事業を展開。当社グルー プならではの強みと、社会のニーズとの接点を見据えて、将来の柱となる事業を育成 していきます。また、商品やサービスをより迅速・快適に提供するため、物流機能、情
報機能を強化するグループ会社を設けています。
※ ふすま: 製粉工程で発生する小麦外皮部分。食物繊維が豊富で家畜の飼料などに用いられます。
日本初の製粉会社として、食文化の多様性に対応し続ける―― 製粉事業
将来の可能性を見据え、自由な発想で展開する―― その他事業
製
粉
事
業
そ
の
他
事
業
食
品
事
業
食 材 部 門
加 工 食 品 部 門
冷 凍 食 品 部 門
中 食 部 門
業務用食材から加工食品、冷凍食品、中食まで、多様な領域で食生活を支える――食品事業
事業セグメント
販売
販売
原料供給 原料供給
販売
原料供給
販売
販売
原料供給
販売
原料供給
販売 販売
販売 販売
原料供給
原料供給 販売
販売
販売
販売
原料供給 販売
販売
販売
販売 販売
販売
販売
施行
サービス提供
サービス提供
販売 販売
販売
販売
販売
販売 小麦粉・プレミックスの製造、販売(海外のみ)
United Flour Mill Public Company Ltd. *
プレミックスなどの販売(海外のみ) Nippon Flour Mills (Thailand) Ltd.
プレミックスの製造、販売
プレミックスの製造、販売(海外のみ)
Quality Naturally! Foods,Inc.
パスタ類の製造、販売 Pasta Montana,L.L.C.
そば粉の製造、販売および小麦粉の販売 松屋製粉(株)
情報処理サービス
(株)日本製粉システムセンター 物流サービス
(株)ニップンロジス *※ 食品関連プラントの設計、施工
ニップンエンジニアリング(株) ペットフードの製造、販売
エヌピーエフジャパン (株) 健康食品の販売
日本デイリーヘルス(株) バイオ関連機材の販売
ニップンテクノクラスタ(株)
ドーナツショップの経営 ニップンドーナツ (株)
ニップンドーナツ関西 (株) 冷凍食品、加工食品類の製造、販売
エヌエフフローズン(株) 冷凍食材、食品類の製造、販売
ニップン冷食 (株)※ パスタ類の製造、販売
オーマイ (株)※
小麦粉の販売 ニップン商事(株)
冷凍食材、食品類の販売 日本リッチ(株)
弁当・調理パンの製造、販売 (株)ファーストフーズ
鈴木(株) 丸七商事(株)
上海日粉食品有限公司
製品・サービスの流れ 無印 連結子会社 * 持分法適用会社
日
本
製
粉
︵
株
︶
お
客
さ
ま
海外で事業を展開 国内で事業を展開
日本製粉および主要な関係会社
※ 本報告書の報告対象関係会社
4
変化する時代のなかで
「信頼され続ける食品会社」であるために
代表取締役会長
『社会・環境報告書2005』をお届けするにあたり、ご挨拶申し 上げます。
市場のグローバル化や高度情報化社会の進展、お客さまニー ズの多様化など、私たちを取り巻く状況は大きく変化しつつあり ます。こうしたなか、利益優先の経営姿勢が招いた地球環境問
題や人権問題、さらには相次ぐ企業不祥事などが社会問題となっ ており、企業の社会的責任(CSR)への要請が高まっています。 食品業界においても、市場のグローバル化にともない競争力 の強化が求められる一方で、お客さまの「食の安全性」への要 求水準が高まり続けています。こうした要求に完全に応えるため には、自社製造工程のみの配慮では不十分と考えています。例 えば、アレルギー表示を適切に行うためには、商品原材料ごとの 製造由来の確認やデータ保管が不可欠であり、素材調達から 製造、流通、消費までのサプライチェーン全体を踏まえた安全性 管理が求められています。
食品製造業が果たすべき社会的責任が問い直されるなか、 日本製粉グループは、業容拡大を通じた市場競争力の向上に
努めるとともに、企業の社会的責任を果たすための組織的・制 度的な裏づけを推進しています。
具体的には、2003年1月に「CSR委員会」を設置し、2003年4
月には、企業の社会的責任の観点から当社のめざす姿を示し た「行動規範」と、遵守すべき事項を明文化した「行動指針」を 策定するなど、さまざまなステークホルダーの皆さまへの社会的 責任を果たすための基盤づくりに努めてきました。
2005年4月には、「食の安全・安心」を保証するために開発体 制・品質管理体制を大幅に改編するとともに、迅速な意思決定 プロセスの構築や、業務執行に対する牽制機能の強化など、コー ポレート・ガバナンス体制の整備に積極的に取り組んできました。 今後もこうした基盤強化とともに、当社グループの全役職員が主 体的に社会的責任を考え、そして行動する体制・風土づくりを推 進していきます。
当社は創業以来「食の安全・安心」を第一に考え、お客さまに 「信頼される企業」として、社会に貢献することを普遍の理念と してきました。わが国初の製粉会社として誕生し、日本の製粉産 業の歴史を支えてきた当社は、一世紀を超える歴史の中で積み 重ねてきた実績と伝統への揺るぎない信頼を経営基盤としなが ら、変化する時代の中で、「信頼される企業」であり続けるために、
企業の社会的責任を果たし続けていきます。
本報告書は『社会・環境報告書』として、当社グループの企業 の社会的責任活動の一端を報告しています。当社グループ理 解の一助としていただくとともに、忌憚のないご意見をいただけ れば幸いです。
トップメッセージ
日本製粉(ニップン)の使命
日本製粉(ニップン)は、すべてのお客さまから信頼さ れる企業として、力強く成長しつづけます。
すべてのお客さまに、ご満足いただけるように日々努
力をし、関係するあらゆる分野で、競争力のある、もっ
とも優れた商品とサービスを提供し、社会に貢献しつ づけます。
わたくしたちの理念
わたくしたちは、わたくしたちの商品とサービスを通じて、 お客さまと感動をわかちあいます。
わたくしたちは、現状に満足することなく、つねに改良、 改善、そして改革に挑戦し、新しい時代をきりひらきます。 わたくしたちは、一人ひとりの力が最大限発揮でき、成果 が正しく評価される環境を作り、その中で持っている力 をだしきります。
わたくしたちは、社会の良き一員として、正しい行動をと りつづけます。
CSR活動を一つひとつ積み重ねていくことで
ステークホルダーの皆さまから
信頼される企業をめざします
代表取締役社長
日本製粉グループは、2005年4月、今後3年間の経営計画を 「05/07中期経営計画」としてまとめました。
この計画では、企業規模の拡大、利益成長目標とともに、「社 会の良き一員としての共生」を基本方針のひとつに掲げています。 利益・効率の向上は企業にとって常に追い求めなければならな い存立条件ですが、企業を取り巻く社会からの要請に応えるこ とも、同じく重要な経営課題です。
特に近年は、地球環境問題や頻発する企業不祥事などを背 景に、企業に対して「自社の成長だけを追求するのではなく、さ まざまなステークホルダーの皆さまへの企業の社会的責任(CSR) を果たし、共存共栄していく」という姿勢が強く求められています。 このような認識のもと、当社グループは中期経営計画に掲げた 「社会の良き一員としての共生」を実現するため、具体的な取り
組みとして次の3点を明記しています。
●コンプライアンス重視の経営を推進します。内部統制システム やリスク管理体制の充実に努めます。
●品質保証体制の充実や環境負荷の低減を推進します。
●タイムリーディスクロージャーの推進とアカウンタビリティへの取り 組みを強化します。
当社グループは、こうした取り組みの基盤となるのがCSR活動 であると考え、2003年1月に本店各部長を構成員とした「CSR委 員会」を発足させ、活動方針を決定し、この方針のもとでCSR活 動を実践してきました。また、全役員・従業員が当社のCSRに関 して認識を共有するべく、当社の理念、規範を記した「企業社会 責任ハンドブック」を作成、配布し、全事業場で説明会を開催い たしました。
2004年度は、事業場ごとに「企業理念」「行動規範」に則った 具体的な行動計画を立案し、実践してきました。また、2005年7月 には、「CSR委員会」が各事業場におけるCSR行動の進捗状況 の報告を踏まえ、今後の活動計画推進・改善方針を各事業場に フィードバックしています。
また、こうしたCSR活動の進捗状況を適切に情報開示するた めに、従来の『環境報告書』を、今年度から企業の社会的責任 における活動報告を加えた『社会・環境報告書』とし、内容の充 実を図りました。
本報告書は当社グループの現状を説明するもので、その内容 は未だ不充分なものと自覚しております。今後も一つひとつの CSR活動を積み重ねることで、会社が直面する複雑・多岐にわ たる問題を解決し、さまざまなステークホルダーの皆さまの信頼を 得る企業として、社会的責任を果たしていく所存です。
6
コーポレート・ガバナンス(企業統治)
支店・工場
コーポレート・ガバナンス体制
会計監査人
本店
牽制
選任、解任 選任、解任
連携
コーポレートスタッフ 株主総会
監査役会 監査役 5名 (うち社外 監査役2名) 監
査
監 査 役員会
取締役、監査役 執行役員が協議
執行役員 20名 (うち12名が取締役兼執行役員)
取締役会 取締役 13名、監査役 5名
事業執行 事業執行
事業本部
基本的な考え方
日本製粉グループは、食品製造会社として「食の安全・安心」 の確保を第一とし、おいしさや機能性を追求した商品をお客さま に安定して提供することを通じて「信頼される企業」となり、社 会に貢献することを理念としています。
こうした理念のもと、当社グループは、さまざまなステークホルダー の皆さまからの信頼に応える「コーポレート・ガバナンス」の確立 が、経営の重要な課題であると認識し、その実現に向けた経営 基盤の整備を進めています。
コーポレート・ガバナンス体制
当社では、多角的に事業を展開するにあたり、各事業それぞ れが迅速な意思決定を行うために「執行役員制度」を導入して います。
「取締役会」は、取締役13名(うち12名が執行役員を兼務)、 監査役5名(うち社外監査役2名)で構成され、重要な業務執行 決定と業務執行監督の機能に特化しています。また、業務執行 に係る重要事項の報告および協議のため、取締役と監査役、執 行役員による「役員会」を設置しています。
さらに、本店においては、経営効率の向上と企業経営の透 明性、健全性を確保するために、事業執行機能を担う事業本 部と、適法性の確認を担うコーポレートスタッフとに機能を分け、 事業執行の迅速化、適正化、責任の明確化を図っています。コー
ポレートスタッフは、企画、法務、財務、生産管理、品質管理、品 質保証、知的財産、研究開発、国際などの各部署から構成され、 適法性の観点から事業本部を牽制しています。
支店・工場など各事業場での日常的な業務執行は、本店の 事業本部が情報を集約・管理して具体的な指示を与える一方、 事業場での重要な設備投資、権利関係に係る事項は、コーポレー トスタッフを通じて、社長が決裁し、取締役会が監督しています。
監査役監査の状況
当社の経営監査の中心となるのが、監査役による監査です。 監査役は5名、うち3名が常勤監査役であり、監査役をサポート する専従スタッフを1名おいています。
監査役は、グループ会社も含め、取締役、執行役員、従業員 が法令・定款違反をしないように、また注意義務・忠実義務違反 をしないように監査するとともに、収益性向上のための経営判断 がなされ、実行されているかについて監査することを基本方針 としています。
この方針のもと、監査役会で決定した監査計画に基づき、法 令遵守・リスク管理・内部統制などについて監査を実施していま す。また、会計監査についても、会計監査人から監査計画および 監査結果の説明を受け、情報交換を行うなど連携を図っています。
2004年度における監査重点項目は以下のとおりです。
企業統治と内部統制
適法性に関する調査 ●食品表示義務の履行状況
●労働法令の遵守状況
リスク管理状況の調査 ●安全性の確認
●債権保全状況の確認
●予想されるリスクの洗い出しと評価
効率性に関する調査 ●経営計画の実施状況のチェックと不効
率な部分の指摘
●売掛金残高および在庫数量の適正化
●その他の管理面に関する問題
CSRマネジメント
活動指示
活動支援
CSRマネジメントシステム
CSR活動のPDCAサイクル
取締役会 監査役
社長
支店・工場 本店
ワーキンググループ CSR委員会
委員長:CSR担当役員
事務局:総務・人事本部法務グループ
Plan
●「CSR委員会」は、CSR 活動計画を立案 ●各事業場は、当該事業
場のCSR計画を立案し、 CSR委員会に報告
Do
●CSR活動計画に基づく取 り組みを実践
●各事業場は、管下の従業 員に対し、企業の社会的責 任に関する教育を実施
Check
●「CSR委員会」は、事 業場別に取り組みを 検証、指示 必要に応じ「取締役
会」に報告
Action
●取り組みの効果検証を踏ま え、今後の方針・計画を立案
CSRマネジメントシステムの構築
日本製粉グループは、優れた商品・サービスを提供するだけ ではなく、商品の安全性確保や環境保護、人権擁護、適正な労 働慣行の実践など、さまざまなステークホルダーの皆さまに対す る企業の社会的責任(CSR)を着実に果たすことを重視してい ます。このため、2003年1月に、実践推進組織「CSR委員会」を 設置し、社長を最高責任者とするCSRマネジメントシステムの構 築に着手しました。
「CSR委員会」は、リスクマネジメント担当役員(2005年4月か らCSR担当役員と改称)を委員長として、総務・人事本部長、生 産・技術本部長、製粉事業本部長、経営企画グループ長、広報 グループ長、IR室長、製粉営業部長、食品業務部長、冷凍食品 営業部長および日本製粉労働組合書記長で構成されています。 活動内容としては、行動規範・行動指針改訂の起案や、具体的 なCSR活動計画の立案・実施、各事業場別の活動計画の立案 および進捗状況の確認、さらにはCSRに関する活動効果の検 証などを担います。
CSR委員会が立案するCSR活動計画は、取締役会、社長の 承認を受けた後、全事業場へと展開されます。その際、CSR委 員会は必要に応じて個別課題に適したメンバーを指名し、「ワー キンググループ」を設置します。このワーキンググループは、CSR 委員会から委託を受けた範囲内において、個別課題に関する 検討、方針・計画の立案を行います。
また、各事業場では、全社的なCSR計画を踏まえて、事業場 別に活動計画を立案し、実践します。
今後、当社では、このCSRマネジメントシステムを継続的に改 善しつつ、PDCAサイクルを回しながら、CSR活動を推進してい きます。
なお、CSR活動のうち、環境分野に関する事項については、「環 境委員会」の所管としており、CSR委員会との充分な連携のもと に取り組んでいます。
2000年 9月 2001年 4月
2003年 1月 4月 9月
10月 11月 12月
2004年10月
消費者クレーム対応方法について再検討開始 苦情対応マニュアル完成
(2004年4月に改訂版完成) CSR委員会設置
行動規範・行動指針・説明文の策定 CSR推進体制整備の取締役会決議
●CSRマネジメントシステム運営要領
●企業倫理ヘルプライン制度運営要領
●危機管理基本規程
●リコールに関する緊急時対応計画
企業倫理ヘルプライン開設 企業社会責任ハンドブック作成 ハンドブックの講習会を全事業場で開催 (2004年4月まで)
全事業場行動計画実践 (2005年3月まで)
CSR活動の経緯(環境分野を除く)
8
日本製粉 社会・環境報告書2005
日本製粉 社会・環境報告書2005
コンプライアンス(法令遵守)
基本的な考え方
企業の社会的責任(CSR)に対する関心は、安全で高品質 な商品の提供、法令の遵守、環境保護、人権の尊重、地域社会 への貢献など、幅広い分野に及びます。
日本製粉では、お客さま、お取引先さま、株主・投資家さまなど、 当社を取り巻くさまざまなステークホルダーの皆さまからの信頼 に応えていくために、それまでに取り組んできたコンプライアンス(法 令遵守)活動を、2003年1月からCSR活動の一環として新たに スタートさせました。
2003年4月には、CSRの観点から当社のめざす姿を示した「行 動規範」と、遵守すべき事項を明文化した「行動指針※」を策定。 法令遵守はもとより、この行動規範、指針の遵守を徹底するコン プライアンス活動を推進しています。
「行動規範」
「行動指針」の徹底
2003年11月、当社はコンプライアンス活動の社内における周知・ 徹底を図るため、「行動規範」「行動指針」の内容を解説した「企 業社会責任ハンドブック」を作成し、当社およびニップン冷食、オー マイの全従業員に配布しました。
さらに、2003年12月から2004年4月にかけて、全事業場で講 習会を実施しました。また、講習会に合わせて、ハンドブックの各 項目の実践状況などに関するアンケートを実施し、この集計結 果をもとに、行動の実践目標を事業場ごとに設定。これらの目標 達成に向けた取り組みを各事業場で推進しました。
2005年5月には、当期の取り組みの結果についてのモニタリン グを実施しました。その結果、設定した計画はほぼ計画どおり実 践されたことが確認されました。この結果を踏まえ、今後は特に 強化したい課題については全事業場共通の目標として取り組 んでいきます。
※ 行動指針:行動規範を実践するために、当社として遵守すべき具体的な行動基準の ことです。行動指針は当社ホームページでご覧いただけます。
行動規範
行動規範1
すべてのお客さまに安全で高品質な商品・サービスを提供しつづけます。
行動規範2
常にお客さまの信頼を得られるように日々努力をつづけます。
行動規範3
常にチャレンジ精神を持ち、成長しつづけます。
行動規範4
安全に働ける職場環境を確保すると共に、 個々の従業員の人格、個性を尊重します。
行動規範5
高い倫理意識を持ち、法令を遵守します。
行動規範6
環境問題に真摯にとりくみます。
行動規範7
国際社会の一員として、国内外の地域発展に努めます。
「企業社会責任ハンドブック」 2003年11月発行
企業統治と内部統制
企業倫理ヘルプライン制度
社内調査委員会
(事実確認・原因究明・通報内容の検討)
ヘルプライン受付窓口 社長
従業員 (日本製粉/ニップン冷食/オーマイ) 社内
(総務・人事本部法務グループ長) (弁護士) 社外 CSR担当役員/総務・人事本部長/監査役
報告
連絡
相談 通報 会社側 対応内容を通知
照会 調査 依頼
回答 調査
報告 情報
共有 回答
個人情報に関するお問い合わせへの対応体制
個人情報 管理責任者
お客さま グループ 広報 グループ 法務
本店 各事業場
●各部、事業 場調査 ●調 査 報 告
書作成
「
企業倫理ヘルプライン」の運用
法令違反や社内不正など、企業倫理や法令に抵触する行 為は、企業が継続的かつ安定的に発展する妨げとなります。 当社グループは、CSRにおける重点的取り組みであるコン プライアンス体制強化の一環として、こうした行為を防止もしく は早期発見し、是正することを目的として、当社およびニップン 冷食、オーマイの全従業員(役員・パート・アルバイト・派遣社 員を含む)が相談もしくは通報することのできる「企業倫理ヘ ルプライン」を2003年10月に設置しました。
本制度は、通常の業務分掌・職務権限を補完するための 制度と位置づけています。つまり、こうした相談・通報は各所 属部署における役職者に対して行うのが原則ですが、相談・ 通報者本人がこれに支障があると考える場合に、本制度を活 用するものです。
なお、本制度の運用にあたり、通報者保護の観点から、通 報したことによって不利益を被らないよう、運用規程を定めて います。
個人情報保護への対応
近年、個人情報の漏洩事件が相次ぎ、個人情報保護に対す る社会的関心が高まっています。2005年4月1日には「個人情報 の保護に関する法律」が完全施行され、個人情報を取り扱う事 業者は個人情報を適切に管理し、保護する義務を負うことが明 確化されました。
当社は、お客さまの個人情報に加え、従業員情報、株主情報、 関係会社情報、取引先情報など、さまざまな個人情報を管理し ています。このような状況のもと、当社では個人情報管理のルー ルを定め、2005年3月28日に個人情報保護方針を策定し、ホー ムページで公表するとともに、企画本部広報グループ内にお客 さまからのお問い合わせに対応する窓口を設置しました。
2005年3月には、個人情報の取り扱いに関する社内マニュア ルを作成し、全事業場に配布するとともに、常に閲覧できるようイ ントラネットでも公開しています。また、各事業場に個人情報の管
理責任者を置き、個人情報の取得・利用・保管・廃棄が適正に 行われるよう管理しており、加えて情報を保管しているファイルや データベースにIDやパスワードを設定するなど、情報保管媒体 へのアクセス制御を行っています。
今後はアクセス制御に加えて、ハードディスクの暗号化、USB メモリなどの記録メディアへの書き出し制御など、個人情報を含 む情報資産の漏洩を防止する対策を講じていきます。また、当 社総務・人事本部法務グループが中心となって、個人情報保護 の意識向上と営業活動での対応事項に関する説明会を随時 実施し、関係会社も含めて全従業員への徹底を図っていきます。
10
リスクマネジメント
緊急事態発生時の流れ
緊急時検討委員会
緊急時対策本部 対策本部設置ま での応急措置とし て設置。 緊急性が高い場 合には、対策本部 に組織格上げ。
最高責任者(社長)
CSR担当役員
対策本部事務局
最高責任者(社長)
当該事業場 報告
改善結果を 報告 改善指示
関連部署 生産・技術本部、品質保 証部、広報グループ、お 客様センター、総務グルー プ、法務グループ、工場 その他部門、関連会社 危機管理基本規程、
緊急時対応計画に よって対応。
緊急時
「CSR委員会」が当該事業場に対して改善を 指示。事業場は改善結果を報告。CSR委員 会は緊急事態再発防止のための見直しを検討。
収束時
CSR委員会
事業などのリスク
日本製粉グループの経営成績、株価および財務状況などに影 響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
(1)経済状況、業界動向の変動
(2)WTO(世界貿易機関)・FTA(自由貿易協定)の進捗と 麦政策の改革
(3)海外進出に潜在するリスク (4)健康食品に関する制度の変更 (5)商品の安全性
(6)原材料の調達の安定性 (7)為替の変動
(8)ふすま価格の変動
(9)コンピュータシステムのトラブル・データ漏洩 (10)災害による影響
緊急時の対応
「行動規範」「行動指針」に関する重大な違反があり、人の 身体・生命に悪影響を及ぼすような事態、または当社グループの 経営に多大なダメージを与える事態が発生する可能性(危機) が生じた場合は、「危機管理基本規程」(2003年9月制定)およ び「緊急時対応計画」に従って、「緊急時検討委員会」がその 解決にあたります。「緊急時検討委員会」が、緊急性が高いと 判断した場合は、「緊急時対策本部」を発足させ、同本部が対 応します。
緊急事態の収束後は「CSR委員会」が当該事業場に対して 改善を指示し、事業場は改善結果を直ちに報告します。また、 CSR委員会は緊急事態再発防止のための見直しを検討します。 見直しを行った項目については、確実に実践されるよう、CSR取り 組み計画に盛り込み、監査を行います。なお、見直し項目や改善 結果は、CSR委員会から最高責任者である社長に報告されます。
災害時の対応
当社は、事業活動における潜在リスクの把握やその発生防止、 万一の災害時の対応などにおける管理体制の強化に努めて います。
災害時において、従業員一人ひとりが適切に対応できるよう、 災害発生時の対応マニュアルを作成し、各部署に配布するほか、 緊急連絡網とともに掲示して迅速な連絡体制を構築しています。 さらに、年に1回防災訓練を実施して、避難・放水などの実地練
習を行うことで、的確な対応を身につけ、万一の災害時に備えて います。
●火災についての対応
すべての工場において、発火の可能性がある薬品、機械な どに予防的な装置(温度センサー、
ベルトのスリップセンサー、蛇行セ ンサー)を設置。また、火災発生 時に迅速な処置がとれるよう、消 火手順、連絡手順、責任者を明確 にしています。
●地震についての対応
日本製粉、ニップン冷食、オーマイの12工場に地震計を設置。 工場の設備停止基準、点検基準、報告基準など、計測震度に 応じた基準を設定していく予定です。
工場を統括する本店では、被害の程度に応じて、対策本部 の設置、復旧の応援、商品の供給
体制の確保(他の工場からの供給) などを行います。
また、既設工場の耐震・液状化 診断を進めており、状況に応じて 対策を検討するとともに、万一被害 が生じた場合を想定して、各工場 で共通の予備部品を購入・保管し、 相互に供給できるようにしています。
さらに緊急連絡用として、本店、 各支店・工場に衛星電話を設置し ています。
企業統治と内部統制
地震計 温度センサー
衛星電話
「食の安全・安心」をお届けします。
お客さま
(最終消費者・食品メーカー)
公平かつ誠実に接し、相互 の信頼関係のもと、お取引 します。
お取引先さま
(原料・商品仕入先)
地域社会との共生をめざ します。
地域社会
一人ひとりが能力を十分 に発揮できる労働環境を 提供します。
従業員
適時、適切に情報開示を 行い、株主価値の最大 化をめざします。
株主・投資家さま
お客さまのために 13
お取引先さまとともに 18
株主・投資家さまとともに 19
従業員とともに 20
地域社会とのかかわり 24
社会と日本製粉
企業の社会的責任(CSR)への意識が高まるなか、日本製粉は2003年1月に「CSR 委員会」を設置し、同年4月には「行動規範」「行動指針」を策定するなど、CSR活 動を全社的に展開するための基盤づくりを進めてきました。CSR活動を展開するに あたっては、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーに対して、それぞれどのよう な責任を果たすべきかを考える必要があります。当社は、以下の5つのステークホル ダー(お客さま、お取引先さま、株主・投資家さま、従業員、地域社会)に対して、それ ぞれの立場から社会的責任を果たしていきます。
CONTENTS
12
商品の安全と品質保証
品質に関する行動規範
すべてのお客さまに安全で高品質な商品・サー ビスを提供しつづけます。
行動規範1
商品開発段階での品質保証体制
実態分析・
ニーズ把握 ご要望・ 提案
原料の審査
ご要望・提案の確認
製造の承認
●試作品のチェック 報告
お客さま
営業/お客様センター
CS検討会
開発本部
開発委員会
営業
生産管理グループまたは品質保証部 ●原料規格書の審査 ●一括表示の適法性点検
お客様センター ●警告表示の適切さ点検 市場
調査
サンプルの作成 商品コンセプトの立案
試作
原料配合/包材・容器表示の検討
原料メーカー
製造工場での異物混入防止例(家庭用小麦粉)
小 麦
小石や植物の 茎 、小 麦 以 外 の穀粒を除去
高性能の磁石
の間を通過 い篩(開口200何 枚もの細か μm)を通過
金 属 片などの 混入をチェック 小
麦 精 選
製 粉
マ グ ネ ッ ト
篩 ︵ ふ る い ︶
包 装
金 属 検 出 機
小 麦 粉
法務グループ ●商標、デザインの類似検査
基本方針
日本製粉は、すべてのお客さまから信頼されることを使命とし、 行動規範の中でも、安全で高品質な商品・サービスをお客さま に提供することを、第一に掲げています。この規範に則り、「食 の安全・安心」の確保に向けた体制整備と、さまざまな取り組み を推進しています。
商品提供までの品質保証の取り組み
当社では、お客さまに安心して購入していただける商品を提 供するために、開発から製造、物流に至る各段階において、品 質を保証するためのさまざまな取り組みを実施しています。
・
商品開発段階家庭用商品の開発段階では、開発本部の開発企画グループ と加工技術研究所とが、営業やお客様センターから報告される お客さまのご要望や提案を参考に商品コンセプトを決定し、開発 を進めていきます。
試作段階では、商品の使用方法も考慮したうえで、営業とも 連携して安全性を確認しています。また、新規の原料を使用す る場合は、原料メーカーから提出された「原料規格書」を生産
管理グループまたは品質保証部が審査し、安全性が確認され たものだけを使用しています。さらに試作品完成時と商品の製 造承認前には、お客様センター、法務グループ、生産管理グルー プ、品質保証部が役割分担して商品情報表示をチェックしてい ます。最終的には本社の主要部署で構成される開発委員会に
おいて、製造を承認します。
・
製造段階製造段階では、「商品規格書」に記された安全性を製造工程 で確保することが重要になります。当社グループでは、衛生管理 に留意しながらISO9001規格に基づいた製造基準・工程検査 項目を設定して商品を製造しています。製造工程では、マグネッ ト、篩(ふるい)、金属検出機などを設置し、異物混入防止を図り、
安全性を確保しています。さらに出荷前には各工場に設置して いる試験室で検査を行い、商品規格に合致したものだけを出荷 しています。また、当社グループが製造を委託した商品や仕入 品については、品質保証部の承認を条件として販売しています。
・
物流段階商品がお客さまのもとに届くまでの物流段階についても、適宜、 業務管理グループや管理部が改善事項の指示を行うなど、品質・ 衛生管理を推進しています。
品質保証体制の拡充
2005年4月、当社では、当社グループ工場の品質管理を統括 する生産・技術本部内に品質管理システム向上を担当する「品 質管理室」を新たに設置し、同時に社外仕入品の品質保証を 担当していた「クオリティ・マネジメント部」を「品質保証部」に改 組しました。また、中央研究所内には、食品の安全性に関する 試験・研究や各種分析を行う「分析センター」を設置しました。 これらの組織変更により品質保証を担う各組織の役割を明確 にしました。
このように、品質保証を担う各組織の役割の明確化と品質 保証体制の強化を進めることで、異物混入防止策の徹底、 ISOシステムの実効性向上、安全査察の実施など、「食の安全・ 安心」に向けた対応に全力をあげて取り組んでいます。 社会と日本製粉
お客さまのために
品質保証を担う各組織の役割
ご要望・提案 安全・安心
商品の安全と問題 時の原因究明 報告
報告
調査依頼 連携 調査報告
お客さま
営業/お客様センター
各事業本部
グループ各工場/委託先・仕入先工場 品質管理・生産管理シス テムの向上支援、調査 社外仕入品の管理、
調査
ISO9001品質マネジメントシステムなどの認証取得状況
ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 ISO9001 HACCP ISO9001 ISO9001 ISO9001 1998-04-24
1998-06-19 1998-10-23 1998-12-18 2000-06-30 2001-11-22 2001-12-14 2002-07-05 1999-06-18 2000-01-28 2000-07-14 1997-04-21 1997-11-14 千葉工場
竜ヶ崎工場 神戸甲南工場 福岡工場 大阪工場 名古屋工場 横浜工場 小樽工場 竜ヶ崎工場
高崎工場 厚木工場 加古川工場
事業場名 登録日 規格 会社名
※1 ISO9001:品質マネジメントシステムに関する国際規格。
※2 HACCP:Hazard Analysis Critical Control Pointの略称で、日本語では「危 害分析重要管理点」。食品汚染等の危害発生を予防するため、衛生・工程管 理のチェックに重点を置いた、品質管理システム。
※1 危機管理基本規程:人の身体生命に悪影響を及ぼすような事態、または当社の 経営に多大なダメージを与える事態が発生する可能性がある危機に備えて、こ の危機に適切に対処して、損害の拡大を防止し、危機を迅速に収束させるため の危機管理体制を定めたものです。
※2 緊急時対応計画:商品不具合事故による損失を最小化し、各部門が取り組む べき平常時対策、緊急時対策、緊急事態収束後対策を明確にするため、定め たものです。
品質保証部 (生産管理グループ・品質管理室) 生産・技術本部 分析センター
Phase1: 緊急時対策(緊急措置)
1.事故発見時の連絡 2.緊急措置 3.詳細事実確認 4.関連部署への連絡 食品事故発生時のフロー
Phase2: 緊急時対策(原因究明・意思決定)
1.緊急時検討委員会による検討、原因究明 2.拡大被害防止措置 3.緊急対策本部の設置の判断 4.対応方針決定
Phase4: 緊急事態収束後の対策
1.再発防止策の実施 2.回収商品の処分 3.被害者の損害賠償請求対応 4.原因者への求償
Phase3: 緊急時対策(回収準備・実施)
1.回収体制準備 2.回収準備(内容の確定) 3.回収実施 4.追加措置検討
ニップン冷食
オーマイ 日本製粉
お客さまに信頼され、ご満足いただける「安全で高品質な商品」 をお届けできるよう、今後は製粉、プレミックス、パスタ、冷凍食品な ど各事業分野において、品質保証体制の強化を図っていきます。
ISO9001
※1/HACCP
※2認証の取得
当社では、品質保証体制の標準化を図るため、品質マネジメ ントシステムの国際標準であるISO9001の認証取得に向けた取 り組みを、業界に先がけて1997年からスタート。小麦粉・プレミック
ス・パスタ・コーングリッツ業界では、当社が初めて同認証を取得し、 2002年度までに全事業場での取得を完了しています。また、グルー プ各社においても同様に認証取得を推進し、グループ全体で品 質保証体制を強化しています。
認証取得後も、各事業場ではお客さまからの信頼を高めるた めに、品質目標を定め(Plan)、これを達成するための実行プラン の設定(Do)、進捗確認(Check)および改善の処置(Action)の PDCAサイクルにより、品質保証の維持・向上に努めています。
さらに、安 全な食 品を作るための衛 生 管 理 手 法である HACCPの手法も取り入れ、商品の安全・安心を追求しています。
トレーサビリティ体制の構築
万一、商品の不具合が発生した場合には、原因を特定し、被 害が拡大しないよう対応するため、原料の入手経路、商品の販 売先を速やかに把握する必要があります。「食の安全・安心」へ の注目が高まるなかで、国や食品業界などにおいて、こうした「トレー サビリティ」の統一システムづくりが検討されています。当社グルー プでは、原料の受入記録、商品の製造記録、商品のロット管理な ど、あらゆる工程で記録管理を徹底することで、トレーサビリティを
確保しています。
また、2003年から、食品業界の「食品トレーサビリティ研究会」 に参加し、コンピューターシステムやバーコードによるトレーサビリティ システムの導入について研究を進めました。
今後も現状のトレーサビリティ体制をレベルアップさせていくた め、他社事例を参考にした研究会活動を通じて、より短期間でト レースできる仕組みづくりなどを検討していきます。また、国あるい
は食品業界のシステム統一の動きにも積極的に参加していきます。
食品事故発生時の対応
当社では、万一、食品事故が発生した場合、原因・被害の状 況などの事実確認およびその分析を行い、お客さまの安全を第 一として、迅速かつ正確な再発防止策の実践と情報開示を行う ことを基本方針としています。
商品・サービスに関する事故が発生した場合は、「危機管理 基本規程※1」および「緊急時対応計画※2」に従い、被害拡大防
止策を迅速かつ適切に実施します。
14
商品の情報表示
商品の情報表示例
商品の栄養成分に加え、でき上がったホットケーキ 1枚あたりも表示
作り方をカラー写真入りで解説
商品情報表示の審査フロー
1.商標の確認
2. 商品包材における一括表示内の原材料名の作成
商品パッケージ作成の前段階で法務グループに商標が「使用可能」か、ま たは「登録可能」かを確認する。
3.「表示原稿フォーム」に基づく表示作成
前述の2の項目に加え、必要記載項目入りの表示原稿フォームを使って表 示を作成※し、記載漏れを防止する。グロサリー(食品雑貨)はパスタ・小麦粉・
缶ソース・レトルト・生風味ソース・ミックスなど、冷凍食品はパスタ・コロッケ(フ ライ物)・その他のフォームがある。
※ すでに発売している商品と新商品の表示とで共通する記載内容は統 一した表示にしている(商品群ごとの説明表示、注意表示、協会マー クなど)。
4.「表示チェックマニュアル」に基づく担当部署回覧による内容確認
パッケージに記載された内容を、適法な表示、消費者にとってわかりやすい 表示とするため、各担当部署の分担とチェック項目を定めた表示チェックマニュ アルに基づき、回覧し内容を確認する。入稿前に校正刷り原稿と修正原稿 の原則2回、回覧する。
一括表示内の原材料名については、
①自社製造品は、製造管理部署である生産管理グループが作成した商品 規格書に基づき、表示内容を作成する。
②委託製造品については、新商品は開発企画グループ、既存品は食品業 務部が、共通書類フォーマット(商品規格書、原料規格書)を使って表示 内容を作成し、品質保証部で内容のチェックを受ける。
基本方針
日本製粉では、お客さまが誤認するおそれのない、わかりや すく、誰もが理解できる商品情報表示に努めています。
お客さま本位で考えた場合、「JAS法」、「食品衛生法」など 商品表示に関する法規制に従うだけでなく、お客さまの視点に 立った表示を行うことが必要です。このため、正確な表示をす ることはもとより、より平易な表現にする、図や記号を活用するな どの工夫を施しています。
また、「お客様センター」に届いたご意見は、よりわかりやすい 表示に改善する有益な資料として活用しています。
商品情報表示マネジメントシステム
当社では、商品情報表示マネジメントシステムを構築し、商品 情報表示の管理を徹底し、パスタ、パスタソース、ミックス、冷凍 パスタについては、右図の手順で管理しています。
なお、商品情報表示の審査に関する各部署の役割は、以下 のとおりです。
広告に関する自主基準
経営理念や行動規範など、当社の事業スタンスに関する情 報や、商品やサービスの内容・安全性に関する情報を提供す ることは、お客さまをはじめとする多様なステークホルダーの皆さ まから信頼を獲得するための重要な要素の一つです。
当社では、お客さまが必要とする情報の提供を第一とし、当 社および当社商品・サービスに関して、透明かつ正確でわかり やすい広報・広告宣伝活動に努めることを行動指針としていま す。2005年には、遵法精神、社会良識、差別・人権侵害の禁止、 環境保全、動物愛護など、広告出稿にあたって留意すべき項 目を明文化した「広告自主基準」を策定し、この基準に則った 効果的、効率的な広告出稿を心がけていきます。
法務グループ ●商標、キャッチコピー、デザインなどの外観 広報グループ ●禁止表現、不適切な表現
●注意書きの表現を消費者の立場から修正提案
生産管理グループおよび品質保証部 ●一括表示、栄養成分表 食品業務部、食品営業部または冷凍食品営業部 ●表示全般
社会と日本製粉
お客さまのために
お客さま満足の追求
「ゆでスパゲッティ」 調理方法の変更
食の安全に関する お問い合わせの増加
お客さまの声 対応策
「ゆでスパゲッティ」を電子レン ジ調理する際、ラップが破れる というクレームが数件寄せられ ました。
2001年度以降、食の安全に 関わるお問い合わせを数多く いただいています。2003年度 は、特にアレルギーに関するお 問い合わせが増加しました。
原材料に塩化ビニルを採用し ないラップは耐熱温度が低く、 ソースに触れた箇所が破れるこ とが判明。対策として、スパゲッ ティソースは加熱後に混ぜるよ う、調理方法を変更しました。 当社ホームページ上に「よくあ る質問」コーナーを設け、アレ ルギーに関するQ&Aを掲載し ました。
「お客さまの声」と対応事例
※ CS:Customer Satisfaction(お客さま満足)
2004 2003
1,130 1,061
3,863 4,123
年度 苦情(件) 相談お問い合わせ(件)
4,993 5,184
合計(件) 「お客様センター」へのお問い合わせ件数
基本方針
近年、わが国では「消費者基本法」、「公益通報者保護法」、 「個人情報の保護に関する法律」の制定や、消費者団体訴訟
制度の法制化への動きなど、消費者の権利を重視した政策が 進展しています。
製粉事業をコアビジネスとして、多角的な食品事業を展開す る日本製粉には、多様化するお客さまからの要請への、きめ細 かな対応が求められています。
こうした状況を踏まえ、当社はさらなるお客さま満足を追求す るために、以下のような行動規範を策定しています。
苦情への対応
当社は、すべてのお客さまからの苦情・お問い合わせなどに 関し、常に迅速・適切・丁寧な対応を行うことを基本方針に、より お客さまに信頼される企業となることをめざしています。
2001年4月には、当社の基本方針や各部署の役割、具体的 な対応手法を定めた「苦情対応マニュアル」を策定し、2004年4 月には、企業理念、行動規範、行動指針を踏まえて「苦情対応 マニュアル」を改訂。従業員がさまざまな苦情に対処できるよう、 事例集(Q&A)を追加しました。
当社では、このマニュアルを当社グループの全国の事業場長 および家庭用商品の担当者に配布し、マニュアルに沿った苦情 対応に取り組んでいます。また、このマニュアルは家庭用商品 担当の新入社員にも配布し、研修資料としても活用しています。
「お客様センター」の活動
当社では、お客さまからのご意見を受け付け、いただいたご 意見を商品・サービスの改善などに反映するための仕組みを構 築しています。
1981年から、お客さまのお問い合わせ窓口として、本店内に「消 費者センター」を設置していましたが、一層の対応強化を図るた
め、1993年に本店広報部内の「お客様センター」に改組し、合 わせて全国の食品営業所ごとに管轄地域の責任者として「お 客様センター所長代理」を任命し、お客さまへの訪問など、きめ 細かな対応に努めてきました。
「お客様センター」には、電話(フリーダイヤル)、手紙、Eメール、 販売店経由など、さまざまな経路でお客さまからのお問い合わ せやご要望が寄せられます。「お客様センター」は、これらへの 対応はもちろん、その内容を社内にフィードバックするための「CS ※検討会」を主宰しています。CS検討会は、品質保証部、食品 業務部、開発企画グループが参加して、毎月一回定期的に開 催されており、寄せられたご意見・ご要望を商品・サービスの開発、 改善に役立てています。
なお、2004年度における「お客様センター」へのお問い合わ せ件数は以下のとおりです。
●「お客様センター支援システム」の導入
ITを駆使してお客さまとのコミュニケーションをより強固なもの にするために、2005年7月に「お客様センター支援システム」を構 築し、運用を開始しました。
このシステムは、お客さまからの苦情・相談情報をデータベース で管理するもので、さらに事例集(Q&A)や商品関連情報、用語 検索などの多彩な機能を盛り込んでいます。このシステムを活用 して、対応ノウハウを標準化したり、お客さまの声を商品開発や改 善に反映したりするなど、お客さま満足の向上を図っていきます。
お客さま満足に関する行動規範
常にお客さまの信頼を得られるように日々努力を つづけます。
行動規範2
16
T O P I C S
異物検出装置「色差選別機」の開発
T O P I C S
消費者4団体の「消費者重視経営の評価」で
最高評価を獲得
1 2
社会と日本製粉
マカロニ袋への金属線混入事故の再発防止対策について
2005年1月19日、お客さまから当社「お客様センター」あてに、「オーマイ のマカロニで作ったサラダに金属線が混入していたので調べて欲しい」 とのお問い合わせがありました。早速、最寄りの支店を通じて該当商品 現品の確認、引取りを実施し、厚木工場製造商品であることを確認。同 工場で原因を究明したところ、製造ラインの乾燥工程で使用していたス テンレス製金網の一部に破損が発見されました。同ラインで製造した商 品に金属線が混入した可能性があることから、自主回収することを決定。 業務用商品については販売店に連絡して、1月28日には回収を終了。 家庭用商品については日経、読売、朝日、毎日、産経の5紙に「お詫びと お知らせ」を掲載し、該当商品の自主回収を行いました。
現時点まで金属線によるお客さまの被害は発生しておりませんが、破損 の可能性のある金網を製造ラインに使用していたことは、製造管理面 の不備にあたると認識しています。こうした事故の未然防止を徹底すべ く、厚木工場では他商品の製造ラインを含め、すべての製造ラインの徹 底点検を実施しました。また、他工場の製造ラインについても同様の点 検を行いました。今後とも品質管理をより一層強化し、同種の事故の再 発防止に努めてまいります。
お客さまのために
色差選別機
消費者4団体(主婦連合会、全国消費者生活相談員協会、日本消 費者連盟、全国消費者団体連絡会)は、企業評価の基準として、独自 に「消費者重視経営の評価基準」を策定しています。2004年3月に、 食品産業154社を対象にアンケート調査を行い、この基準をもとに評 価が行われました。
2004年7月に集計されたアンケートの結果では、当社は最高ランク(特 に優れている)であるAランク評価7社のうち1社として公表されました。 当社の消費者を重視した行動規範や地道な取り組みが高い評価に つながったものと思われます。
2005年1月、オーマイ厚木工場で製造したマカロニ商品の自主回収を行いました。
経緯 総括および対策
「食の安全性」を確保するうえでの課題に、製造工程における商 品の「異物混入防止」があげられます。
当社は、従来から「異物混入防止」を品質管理上の重要課題とし て取り組んできましたが、微細な焦げなど従来の異物検出装置では検 出できない異物があったため、2004年12月に独自の技術による「色 差選別機」を開発しました。
「色差選別機」の最大の特徴は、カラーカメラの採用にあります。 従来機が白黒カメラにより明るさの対比のみで判別していたのに対し て、赤・緑・青の3種類の色調差により判別するため、微細な異物や 検出の難しい淡い色の異物検 出が可能となりました。
また、例えば髪の毛など、「X 線検出機」や「金属検出機」で は検出できない金属以外の異 物の検出ができます。さらに、優 れた画像処理能力を活かして、 製造ラインのベルトスピードは 200m/分まで対応可能です。